- 交通事故&道路交通法(129)
ガードレールの種類&規格から重量や値段まで|設置基準は意外とゆるい?
ガードレール。道端によく見かけるアレです。でも、なぜガードレールがある道路とない道路があるのでしょうか?なぜガードレールは白いのでしょうか?どのような種類があるのでしょうか?自由に置くことができるのでしょうか?こんなガードレールの知られざる世界を紹介します。これがわかれば、あなたもガードレール博士?
ガードレールとは?何のためにあるの?
ガードレールとは、道路上に設置される交通安全施設の一種です。
設置される理由は、
・自動車・バイクなどが道路外への逸脱することを防止する
・自動車・バイクに乗っている人のケガと車両の損傷を最小限に抑える
・道路を逸脱した車両が道路外の人にケガさせたり物を壊したりすることを防止する
・進行方向を間違った自動車・バイクなどの正しい進行方向へ戻す
・ドライバー・ライダーの進行方向への視線を誘導する
・ドライバー・ライダーが安心して道路を走行できる
・歩行者・自転車が道路外へ転落することやみだりに道路を横断することを防ぐ
などの目的で設置されています。
ガードレールの種類を解説!
ガードレールには、ガードパイプ、ガードビーム、ガードパイプなどの車両を防御する、ガードレールと同じ目的で設置される柵があります。
ガードレール
ビーム(波型の板)と支柱が衝撃による衝撃で変形し、車両が路外へ逸脱するのを防ぎます。
ガードパイプ
パイプと支柱が衝突による衝撃で変形し、車両が路外へ逸脱するのを防ぎます。
ボックスビーム
わかりづらいですが、中央分離帯に設置されているのがボックスビームです。
車両衝突時の衝撃に対して主にビームの強度で衝撃を吸収し車両を守ります。
ガードケーブル
ケーブルの張りと支柱が衝突による衝撃で変形し、車両が路外へ逸脱するのを防ぎます。
橋梁(きょうりょう)用防護柵
橋から車両や歩行者の転落を防ぐものです。
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ガードレールの規格&重量は?値段は?
ガードレールの規格
ガードレールの規格は、強度ごとにSS、SA、SB、SC、A、B、Cの7 種類があります。
高速道路、国道などの道路の種類、道路の設定速度や重大事故発生のおそれの有無、新幹線等鉄道と交差するなどの道路の状況、ガードレールを道路上のどこに設置するかによって、使われるガードレールの規格が変わります。
ガードレールの重さ
規格によってガードレールの重さは変わります。
例えば、分離帯用ガードレールの最強度SS規格は1mあたり78.2kg。
路肩用ガードレールのC規格は、1mあたり16.0kg。
ガードレールの用途、規格に重さが変わります。
参考:日鐵住金ガードレール 日鐵住金建材(株). 適用区間
ガードレールの値段
国道で使わるガードレールの1メートルあたりの単価は、以下の通りです。
・ガードレール 路側用B規格 白色7,400~13,700円/m
・ガードパイプ 路側用B規格 白色8,700~12,200円/m
・ボックスビーム 分離帯用B規格 14,800~18,400円/m
・ガードケーブル 路側用B規格ワイヤーロープ2,560円/m
B規格支柱白色 13,600円/m、19,100円/m
神鋼建材工業㈱2016年5月カタログより
別途設置工事代がかかります。
【要注意】ガードレールに事故でぶつけたら弁償しないといけない?点数や報告義務について
ガードレールの設置基準は意外とゆるい?
国土交通省がガードレールを設置するための基準を設けています。
ガードレールは、主に事故による人への被害の防止の目的で設置されます。勝手に道路に置くことはできないようですね。
ガードレールの設置区間
ガードレールを設置できるのは、
1.車両の道路外への逸脱による乗員の死傷防止ため、路側に設置する区間
(1)崖、擁壁、橋梁などの区間
(2)海、湖、川、沼地、水路などに近接し特に必要と認められる区間
(3)橋梁、高架、トンネルなどの進入部等で特に必要と認められる区間
2.車両の道路外への逸脱による乗員以外の死傷事故の防止目的で路側に設置する区間
(1)鉄道、他道路などに進入するおそれのある区間
(2)高速自動車や国道など対向車線への逸脱した場合の事故を防止する区間
3.車両が歩道等へ逸脱し歩行者等の死傷事故防止目的で歩者道境界に設置する区間
(1)沿道人家等へ飛び込みによる重大事故のおそれのある区間
(2)歩行者等への危険度が高い区間
4.その他の理由で必要な区間
(1)事故が多発する道路、多発のおそれがある道路
(2)道路、交通の状況から必要と認められる区間
(3)気象条件により特に必要と認められる区間“
出典:国土交通省『防護柵の設置基準』(平成16 年3 月31 日 道路局長通達)より
ガードレールの色
ガードレールの色も『防護柵の設置基準』によって決められています。
ガードレールの色は白が基本とされています。ドライバーやライダーの視線誘導機能を確保するためです。ただ、白色以外の手段で視線誘導が確保できるならば、景観に配慮した他の色を使えます。
このようにどんな色でも自由に使えるわけではありません。
人も車もガードレールに守られてます!
「ガードレールの種類&規格から重量や値段まで|設置基準は意外とゆるい?」はいかがでしたでしょうか?
何気なく道端や分離帯にあるガードレールは、車や人を守っているだけでなく、安心してドライブをできる役割も持っているんですね。
交通ルール・マナーを守り、ガードレールを破損しないように心がけましょう。また、万が一ガードレールを破損させてしまった場合は、必ず警察へ報告しましょう。
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